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Les Discrets / Live at Roadburn (2015)

フランス産ブラックゲイズのLes Discrets によるLive盤がProphecy Productionsからリリースされた。
2013年4月18日~21日迄の3日間、Tilburg, Netherlandsにて行われたRoadburn festival での講演が収められている。
また、彼らの公演は19日、以下のタイムスケジュールの中で行われている。51Tao5xLXHL__SY300_

当時のメンバーとしては、未だAlcestのサイドプロジェクト的ニュアンスもある布陣。
Winterhalter (drums), Neige (bass), Zero (guitar, background vocals),といったAlcestメンバーに囲まれて、
本バンドのフロントマンであるFursy Teyssier氏(vocals, guitar) が陣頭に立っている。

場の空気感としては、非常に落ち着いていて、
例えばVoivodのライブやBiohazardのライブ等で聴ける場の喧噪が聴く者のアドレナリンを刺激して行く類のものと別なのは言わずもがなだが、
これに関しては、Les Discretsが、所謂紳士淑女を相手に音を鳴らしているかのような姿勢を持っていて、
また聴き手側としても、節度を守りつつ積極的に音を楽しむような姿勢が感ぜられる。
こういった格好に比例して、同時にアルバムを聴く人間の情緒も丁寧に彩られるのだろうと思う。
このバンドの特徴である憂い哀感の纏った都会的な色味に。

して、ふっと聴き進んでいると、降り積もる雪の街路が情景となり、哀切が誘起される・・・。

本作は、やはりスタジオ音源と比べて生の響きが強く、音像に於いてもより有機的な暖かみが感ぜられる。
激情的な展開は、よりささくれ立っていて、会場に満たされたペーソスが視覚に訴えるは、
深々と冷えゆく11月の夜長に、そっと胸に響き渡ってくれるのではないだろうか。

ここからLes Discretsの世界に入っても好きになれる魅力を感じさせるのは、明瞭な音で叩き込まれるベストな選曲と、
それに付随して会場を巻き込んでいくドラマティックな流れによって、有機的な暖かみや哀感と都会的な情緒とが幽玄に醸し出されているからか、
いや何よりも、気難しいこと考えずに捉えるのなら、これは本当に良いライブ音源であって、
また此処に於ける本当に良いライブというのは、原曲を知らなくても引き込まれるものが在るからだろう。

Les Discrets を存じ上げない方でも、Alcest. Amesoeurs. Lantlôs. Cold Body Radiationや、
違う畑のKatatoniaやSigur Rós等が好きな方にも訴求しそうな一枚だ。

曲目は、

1. Linceul d'hiver
2. L'Échappée
3. Les Feuilles de l'olivier
4. Au creux de l'hiver
5. Le Mouvement perpétuel
6. La Nuit muette
7. Chanson d'automne
8. Song For Mountains

Total 47分

♯4はyoutubeにリンクしてあります。
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