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Undergang / Døden læger alle sår (2015)

デンマーク産ドゥームデスメタルバンドの3rd。
Xtreem Musicから移籍し、
Dark Descent Recordsからリリースされた。

A. Dødshjælp - Drums
K. Ondsind - Bass
D. Torturdød - Guitars / vocalsからなる三人組だ。

Obituaryのおどろおどろしさや、Incantationの地獄から漏れ出した瘴気等、
デスメタルを形容する特殊な空気感はままあるが、
そのどれもが、重く深く煮詰まっていけば自ずと対象がドゥームデスの様相を呈してくるのは、
音を肌で感じ取っている方であれば、自ずとお判りいただける部分であろう。

そんな濃厚な死の臭いが漂う、醜悪な汚泥的サウンドスケープについては、
このバンドもご多分に漏れずで、流石にXtreem MusicからDark Descentに移籍してきたのは伊達ではなく、マジにドゥームデスを作りこんできている。そして話題になってきている。

気づいたら漂ってるデスメタルなアンビエントとも言える現代的な音でありながら、
Anatomiaや古くはGraveやAsphyx、そしてAutopsy等が醸し出す、土葬された屍体の放つ死臭が鼻腔を刺激するような、ドゥームデスの王道を行くスタイル・・・!
徹頭徹尾インモラルな音楽性にもかかわらず、様式を尊重した上での過去からの変遷を煮詰めてきている。また、それがマニア向けに淫している訳ではなく、直球すぎるアプローチに更なる伸びしろを期待させる。
弛れやすい音にも拘らず、思いの外聴き通せるのは、バンドの1stアルバムに於いて顕著であったハードコアに触発されたデスメタル群(Bolt Thrower等)との共振もそうだが、既存の音楽をよく聴いてきているなと思わせる多彩なリフワーク、多彩な展開が、アルバムの品質を保証しているからと思われるところで、

#2後半での大仰な展開には、昨今のフィニッシュドゥーム界隈にも通じる、言わば地獄から吹き出すような暴虐性があり、また、AutopsyのEric Cutler氏(Gt)によっての最後の最後で唯一の発狂するソロパートは、これまでの汚泥を更に混沌とさせるような一種のカタルシスを伴って叙情的であり、聴く者を奈落の底に突き落とせんとする。
総じて低音のなれの果てといったような猛臭で満タンであるが、それを気づかせる数々の巧さが憎い。

諸々の玄人っぽさが、デンマークで2009年結成という不遇地の若手といった部類に入るであろう彼らを、気鋭のDark Descent Recordsに臭わさせた主因となるのかは謎だが、SwallowedやEncoffination等の先鋭的なドゥームデスが出てきている昨今で、ロールベースもとい旧式の感すらもあるこのアプローチは、少し時代遅れに感じてしまうところがあるものだが、故に昔ながらのドゥームデスを楽しみたい方には、是非是非聴いて知っていただきたい一枚である。そしてはっと昔ながらを超えてくる展開に驚嘆することだろう!

もう自分でも何言ってるかわからないがすごいぞ。

曲目は、

1. Døden læger alle sår  01:42
2. Jomfrublodbad  06:59 
3. Kronisk betændelse i tarmene  03:13
4. Ad Ligbitum  06:17
5. Radbrækket  05:31 
6. Lemlæstelsens kunst  04:15
7. Kogt i blod  05:52
8. Gravrust  06:31 
9. Dødsfald  02:55 
10. Det gør kun ondt til du dør  07:46

Total  51:01  

#4はyoutubeにリンクしてあります。ライブです。