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Nachtmystium / The World We Left Behind (2014)

US産サイケデリックブラックメタルバンドによる、7thフルレングスアルバム。
Century Media Recordsよりリリースされた。

ザ・ファイナルスタジオアルバムと銘打たれた本作は、
今までの彼らの音楽を総括するような、充実した内容で畳みかける。

アリスの譫妄状態、と勝手に解釈したこの世界観は、
数多く存在するブラックメタルの中でも、頭一つ抜き出たオリジナリティと希少性が在り、
そんなバンドの最終作と在らば、全ブラックメタラー必聴ではないだろうか。

常々、このバンドのサイケデリックについては、所謂頭のねじを飛ばしたような薬キメサウンドと言うよりかは、
「凛とした音の、溢れるようなトランス感覚」によるサイケデリックである様に思う。
しかし思っているものの、頭のねじを飛ばしたような音についても、本作中に於いて言えば♯7等で、異郷みたいな感覚にて出会うことが出来る。

だが基本的には「」内に前述したようなサイケデリックと、痛切でメロディアスなブラックメタルとの反復するトランス感覚である。

そして本作は、何一つ欠けてはならないバラエティに富んだ楽曲で揃っており、
最終作の終曲である♯9には星空の下で佇むお墓のような情景と、その星空に成り行く魂の情感とを彷彿させてくれている、

それは詰まるところで、壮大な暗黒思想を持ち得る、一つのブラックメタルバンドによる、ロマン溢れる偉大なる死であり、痛切でメロディアスなサイケデリックブラックメタルの、グレート・スピリッツなのだ。(譫妄状態)

痛みはもういらないのだろう。時々無性に聴きたくなる一枚です。


曲目は、

1. Intrusion  02:45   instrumental
2. Fireheart  05:16
3. Voyager  07:20   
4. Into the Endless Abyss  08:27   
5. In the Abscense of Existence  06:51   
6. The World We Left Behind  06:33
7. Tear You Down  05:19   
8. On the Other Side  04:44   
9. Epitaph for a Dying Star  07:29
 
Total  54:44