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Nux Vomica / Nux Vomica (2014)

US産ネオクラストバンドによる、3rdフルレングスアルバム。
前のAborted Society Recordsから移籍し、
かのRelapse Recordsからのリリースとなっている、
さらに音楽性の方も今までのネオクラストからは変化していて、
まさかの「ネオクラスト~ブラッケンドスラッジとポストメタルの大作、全3曲44分」となっている。

つまりは、一端の若手ネオクラストバンドが、
Relapse Recordsの音楽っぽい、全3曲44分の大作を完成させてきた訳だ。

内容としては、かなりの構築美や展開力があるのだが、
何処か10分の9地点で終わるような物足りなさがある、
此処で偉そうなことを言ってしまえば、
最後に綺麗目のインストが在ればもっと良くなっていたように思うのだが。

と、難点を言って見るものの、
実状では大作として結構なクオリティを誇っており、
シリアスな雰囲気や凄惨な趣きに加え、
スラッジ勢が持つような職人気質が豊満に醸し出されている。

また、そのシリアスさの中でどことない陽性や希望等を感じさせるのは、
くどい説明だが彼らの音楽性の主軸がネオクラストになるからであろう。

そして今までで述べた全ての因子達が、
ポストメタル的な曲構成と、
暗い広がりを鳴らすインストパートや、
プログレの素養を感じさせるスラッジメタル的な先鋭性と攻撃性、
さらに、それらを大きな水槽に放して泳ぎ回させると言う大作志向とも相まうことにより、
十二分に楽しめる。そんな感じの、まさかの、「ネオクラスト~ブラッケンドスラッジとポストメタルの大作、全3曲44分」に仕上がっているのではないだろうか・・・!

と言うわけで、一塊のネオクラスト好きよりも、Anciients、Indian、Usnea、Pelican等の激重方面が好きな方に訴求するであろう一枚だ。(満足)

曲目は、

1. Choked at the Roots  19:48  
2. Reeling  11:53
3. Sanity Is for the Passive  12:40

Total  44:21